自然科学研究機構 国立天文台

メニュー

検索

No.437: 板垣さん、NGC 6643 銀河に超新星を発見

 山形県山形市の板垣公一 (いたがきこういち) さんは、12月19日 (世界時、
以下同じ) の観測から、15.9等の超新星を発見しました。この超新星は、りゅ
う座方向にある NGC 6643 銀河の中にあり、板垣さんご自身が所有する 口径
60センチメートルの反射望遠鏡 (f/5.7) を用いたCCD観測 (限界等級19.0等) 
により撮影された十数枚の画像の中から発見されました。  この発見は、中
野主一 (なかのしゅいち) さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告さ
れ、この超新星は「2008ij」と命名されました。
 この天体の発見日時、位置、発見等級は次の通り。
発見日時 2008年12月19.45日前後 = 12月19日10時48分前後 (世界時)
赤経 18時 19分 51.81秒
赤緯 +74度 33分 54.9秒 (2000年分点)
発見等級 15.9等
 上記の赤経、赤緯は、板垣さんが撮影した画像のうち3枚の測定値の平均か
ら求めたものです。これより、この超新星の位置を調べたところ、NGC 6643 
銀河の中心から東に約23秒角、南に11秒角離れた位置にあることが分かりまし
た。
 板垣さんは、昨年2月25日より以前と、最近では今年の12月16日にこの場所
を観測していましたが、そのときの画像(限界等級はそれぞれ19.5等と19.0等)
 には、この天体は写っていませんでした。また、DSS (注1) の画像でも、こ
の位置には何も天体は写っていませんでした。
 中野さんは、埼玉県上尾市の門田健一 (かどたけんいち) さんが、25センチ
メートル反射望遠鏡を用いてこの天体を観測し、16.0等だったことなどを確認
したことを付け加えています。
 またハーバード・スミソニアン天体物理学センターの P.Challis さんは、
12月21日の分光観測によって得られたスペクトルの示す特徴から、この天体
が、II型 (注2) の超新星と推定されることを報告しています。
 なお、この銀河には、2008年3月に16.6等の超新星「2008bo」が出現したば
かりです。
 板垣さんによる超新星発見は、今月に入って2個目で、今年9個目となりまし
た。今回の発見を含め、板垣さんの超新星発見数は通算43個 (独立発見を含
む) となり、日本人アマチュア天文家による超新星発見個数の最多記録をさら
に更新中です。
 
注1:DSS (Digitized Sky Survey) は、米国にあるパロマー天文台のサミュエ
ル・オシン・シュミット望遠鏡と、オーストラリアにあるアングロ・オースト
ラリア天文台の英国シュミット望遠鏡を用いて、全天を撮影し、デジタル化し
たもの。限界等級の値は天域によって変わるが、平均的には20等級前後の天体
まで写っている。
注2:超新星とは星が大爆発を起こして通常の数億倍から数百億倍の明るさで
輝く現象をいう。大きく分けて2つの種類が知られており、白色矮星がなんら
かの理由で限界質量を超えて爆発するものと、太陽よりもずっと重い星が一生
の最期に重力崩壊を起こして爆発するものがある。スペクトルの特徴から、前
者はIa型、後者はIb型、Ic型、II型と観測的に分類されている。
 
参照:
 CBET No. 1626 : SUPERNOVA 2008ij IN NGC 6643 (2008 Dec 20)
 CBET No. 1628 : SUPERNOVA 2008ij IN NGC 6643 (2008 Dec 22)
 日本人が発見した超新星一覧 (国立天文台)
  http://www.nao.ac.jp/new-info/supernova.html
 
      2008年12月22日            国立天文台・広報室

国立天文台 メールニュース

国立天文台 アストロ・トピックスは、2010年6月まで発行していたメールニュースです。2010年7月からは、「国立天文台 メールニュース」として装いも新たにし、注目いただきたいトピックスの主要な内容とその詳細情報の参照先をお届けしています。

国立天文台 メールニュース