自然科学研究機構 国立天文台

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No.421: 観測条件は悪いながらも、今年もオリオン座流星群に要注意

 オリオン座流星群は、毎年10月中旬から下旬に活動する流星群です。ハレー
彗星が軌道付近に放出したダスト (砂粒) の流れの中を、この時期に地球が横
切るため、ダストが地球大気に飛び込んで流星となります。普段の年は、空の
暗いところで観察しても1時間にせいぜい10-20個程度しか出現しない中規模の
流星群でしたが、2006年に1時間あたり100個程度、2007年に1時間あたり60個
程度と2年連続で流星出現数が増加し、注目されています。
 2006年の活発な出現について、国立天文台の佐藤幹哉 (さとうみきや) 広報
普及員と渡部潤一 (わたなべじゅんいち) 准教授は、ハレー彗星から放出され
たダストの分布をダスト・トレイル理論を用いて計算し、約3000年前に放出さ
れた古いダストによるダスト・トレイルが2006年に地球に接近し、起こったも
のであることを突きとめました。この計算によれば、ダスト・トレイルが地球
軌道に接近する傾向は、2010年頃まで継続しており、2007年に流星数が増加し
たのも、この影響と考えられます。
 今年2008年も、この接近傾向の期間中にあたるため、活発な流星の出現が期
待されます。しかし、計算上は前の2年よりもダスト・トレイルが地球より離
れてしまうため、あまり流星数が増加しない可能性もあり、予想は難しい状況
です。
 ダスト・トレイルとの接近は、10月19日の昼から夕方と予想され、普段の年
の極大 (21日前後) よりも若干早めです。日本では、残念ながら観測できない
時間帯ですが、10月19日の夜 (19日深夜から20日明け方) を中心に、前後の日
も流星が増える可能性があります。
 オリオン座流星群の場合、放射点が昇る22時頃から明け方の5時頃までの間
に流星が出現します。今年は、極大を迎える19日頃のこの時間帯には、満月を
数日過ぎたばかりの明るい月が空に見えているため、月明かりに邪魔されて暗
い流星が見えなくなり、観察できる流星の数はたいへん少なくなってしまいま
す。また、市街地など明るい空のもとでは、観察される流星の数はさらに少な
くなり、1時間あたり数個程度になってしまうかもしれません。
 以上のように、今年は必ずしも好条件ではありません。観察には、このよう
な状況を心得たうえでのぞんでいただきたいと思います。もしかすると、約
3000年前にハレー彗星から放出されたダストを起源とする流星を、目にするこ
とができるかもしれません。今年もオリオン座流星群にご注目ください。
 
参照:
 CBET No. 1518 : ORIONID METEORS 2008 (2008 Sep 27)
 "Origin of the 2006 Orionid Outburst"
  Sato M., Watanabe J., 2007, PASJ 59, L21
 国立天文台 アストロ・トピックス (340)
  活発な出現が期待されるオリオン座流星群
  http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000340.html
 
      2008年10月15日            国立天文台・広報室

国立天文台 メールニュース

国立天文台 アストロ・トピックスは、2010年6月まで発行していたメールニュースです。2010年7月からは、「国立天文台 メールニュース」として装いも新たにし、注目いただきたいトピックスの主要な内容とその詳細情報の参照先をお届けしています。

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