No.409: 西山さん、椛島さん、櫻井さんがさそり座に新星を発見

 福岡県久留米市の西山浩一 (にしやまこういち) さんと、佐賀県みやき町の
椛島冨士夫 (かばしまふじお) さんが、9月2日 (世界時、以下同じ) の観測か
ら、さそり座に約9.5等の新星らしき天体を発見しました。この天体は、9月
2.4594日に、口径40センチメートル (f/9.8) 反射望遠鏡を用いて撮影された
複数枚のCCD画像の中から発見され、9月3.5119日に9.0等、4.489日に8.3等、
5.483日には7.1等と、増光を続けています。 
 また、茨城県水戸市の櫻井幸夫 (さくらいゆきお) さんも、9月3.437日と
3.438日にデジタルカメラに焦点距離180ミリメートル (f/2.6) レンズを用い
て撮影された2枚の画像上に、この天体を9.7等で独立に発見しています。 
 これらの発見は、中野主一 (なかのしゅいち) さんを通じて国際天文学連合
に報告され、この新星は「さそり座 V1309」と命名されました。 
 以下は、西山さんと椛島さんによる発見時の観測値です。
発見日時 2008年9月2.4594日 = 9月2日11時02分 (世界時)
赤経 17時 57分 32.93秒
赤緯 -30度 43分 10.1秒 (2000年分点)
発見等級 9.5等
 西山さんと椛島さんは、先月8月20.476日と21.470日に、焦点距離105ミリ
メートル (f/5.6) カメラレンズを用いたCCD観測 (限界等級はそれぞれ12.8等
と12.1等) を行っていましたが、この天体は写っていませんでした。櫻井さん
も7月30日にこの位置を観測していますが、12等よりも明るい天体は写ってい
ませんでした。
 岡山県倉敷市の藤井貢 (ふじいみつぐ) さんは、9月3.49日と4.47日に口径
28センチメートルの反射望遠鏡を用いてこの新星の低分散分光観測を行いまし
た。兵庫県立西はりま天文台公園の内藤博之 (ないとうひろゆき) さんもま
た、9月5.47日に同天文台の口径2.0メートル反射望遠鏡 (なゆた) を用いて同
様の観測を行いました。その結果、スペクトル線に現れる特徴から、この新星
は古典的新星 (注) であることが判明しました。
 西山さんと椛島さんは新星発見で活躍しており、今年5月31日と5月25日にい
ずれもへびつかい座に、4月18日にはいて座、4月10日にははくちょう座に、新
星を発見しています。櫻井さんも、昨年4月にいて座に新星を発見するなど、
アマチュア天文家として多くの新天体を発見しています。今後もお三方のさら
なる活躍が期待されます。
 注:恒星の性質は、分光観測で得られたスペクトル線の振る舞いから知るこ
とができる。新星の場合、そのスペクトル線で水素のバルマー線に強い輝線が
みられるものを古典的新星と呼んでいる。
 
参照:
 CBET No. 1496 : POSSIBLE NOVA IN SCORPIUS (2008 Sept 4)
 IAUC No. 8972 : V1309 SCORPII = NOVA SCORPII 2008 (2008 Sept 6)
 国立天文台 アストロ・トピックス (385)
  西山さんと椛島さん、へびつかい座に新星らしき天体を発見
  http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000385.html
 国立天文台 アストロ・トピックス (291)
  櫻井さんがいて座に新星らしき天体を発見
  http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000291.html
 
      2008年9月9日            国立天文台・広報室

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