自然科学研究機構 国立天文台

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No.253: 水星の太陽面通過

 11月9日、水星が太陽の前面を横切る「太陽面通過」という現象が起こりま
す。水星が黒い点となって太陽の前面を動いていく様子を、日本全国で観察す
ることができます。

 現象が起こるのは、11月9日の朝です。
 水星は太陽の南東側から太陽面上に入り込みます。水星が太陽面に接する
「第1接触」と完全に太陽面に入り込む「第2接触」が起こる時刻には、日本で
は太陽がまだ地平線上に上っていないため、通過の様子を観察することはでき
ません。その後、水星が太陽面を通過しつつある状態で、太陽と水星が地平線
上に上ります。水星の出の時刻は、札幌で6時19.3分、東京で6時11.0分、那覇
では6時42.0分です。(その他の各地の時刻については、国立天文台暦計算室の
日面経過の各地予報のページで調べることができます)
 水星は太陽面上を徐々に移動します。水星が太陽面の中心に最も近づくのは
6時42分頃です。それから水星はさらに移動し、西側から太陽面の外に出てい
きます。水星が太陽面に内側から接する「第3接触」は9時9分頃、太陽面から
完全に出終わる「第4接触」は9時10分頃です。

 観察の方法ですが、太陽を肉眼・双眼鏡・望遠鏡で直接見るのはたいへん危
険です。
 安全に観察するには、望遠鏡に太陽投影板を取り付けて、白い紙などに太陽
の像を投影するのがよいでしょう。太陽面上での水星の見かけの大きさは、太
陽の大きさ(視直径)のわずか200分の1ほどしかありませんので、見逃さないよ
うに注意してください。
 また、お近くの公開天文施設での観察会などがあれば、参加してみてはいか
がでしょうか。インターネットによる中継もおこなわれるようですので、パソ
コンで観察するという方法もあるかもしれません。

 前回、水星の太陽面通過が起こったのは、3年前の2003年5月7日でした。
 この先、2016年・2019年と水星の太陽面通過が起こりますが、どちらも日本
では夜間のため、見ることができません。日本で次に水星の太陽面通過を見る
ことができるのは、26年後の2032年11月13日となります。このときには、第1
接触・第2接触は観察が可能ですが、水星が太陽面上を通過している状態のま
ま日の入りとなります。

注:「太陽面通過」は「日面経過」と呼ばれることもあります。どちらも同じ
現象を指す言葉です。また、「第1接触」「第2接触」「第3接触」「第4接触」
をそれぞれ「外触の始め」「内触の始め」「内触の終り」「外触の終り」と表
現する場合があります。

参照:国立天文台 「水星の太陽面通過」
   国立天文台 暦計算室「日面経過 各地予報」
      国立天文台 乗鞍コロナ観測所からの静止画中継
          上記ページからリンク予定
        (第4接触後に、コロナの手前を横切る水星が見られるはずです)

      2006年11月6日                             国立天文台・広報室

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国立天文台 アストロ・トピックスは、2010年6月まで発行していたメールニュースです。2010年7月からは、「国立天文台 メールニュース」として装いも新たにし、注目いただきたいトピックスの主要な内容とその詳細情報の参照先をお届けしています。

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