No.232: 「惑星」の新定義案、総会での採決へ

 16日、21日付けのアストロ・トピックスでお知らせした、国際天文学連合(IAU)
総会における惑星の定義に関する議論の続報です。8月14日からチェコのプラハで
開催されていた第26回国際天文学連合総会もいよいよ24日が最終日です。現地時
間で14時(日本時間で24日21時)より開催される閉会式を前に、閉会式において採
決する「惑星の定義」最終提案が公表されましたのでお知らせします。

------------------------- 決議文 訳 --------------------------------

      国際天文学連合決議:太陽系における惑星の定義

 現代の観測によって惑星系に関する我々の理解は変わりつつあり、我々が用
いている天体の名称に新しい理解を反映することが重要となってきた。このこ
とは特に「惑星」に当てはまる。「惑星」という名前は、もともとは天球上を
さまようように動く光の点という特徴だけから「惑う星」を意味して使われた。
近年相次ぐ発見により、我々は、現在までに得られた科学的な情報に基づいて
惑星の新しい定義をすることとした。

決議 5A
 国際天文学連合はここに、我々の太陽系に属する惑星及びその他の天体に対し
て以下の3つの明確な種別を定義する:

(1) 太陽系の惑星(注1)とは、(a) 太陽の周りを回り、(b)十分大きな質量を持
   つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほと
   んど球状の形)を有し、(c) その軌道の近くで他の天体を掃き散らしてしま
   っている天体である。

(2) 太陽系の dwarf planet とは、(a) 太陽の周りを回り、(b)十分大きな質
   量を持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形
   状(ほとんど球状の形)を有し(注2)、(c) その軌道の近くで他の天体を掃き
   散らしていない天体であり、(d)衛星でない天体である。

(3) 太陽の周りを公転する上記以外の他のすべての天体(注3)は、Small Solar
    System Bodies と総称する。

注1: 8つの惑星とは、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星
     である。
注2:基準ぎりぎりの所にある天体を dwarf planet とするか他の種別にするか
     を決めるIAUの手続きが制定されることになる。
注3:これらの天体は、小惑星、ほとんどのトランス・ネプチュニアン天体(訳注1)、
     彗星、他の小天体を含む。

決議 5B
 5Aの決議の(1)の”惑星”の前に"classical"を挿入する。つまり、
(1) 太陽系の classical planet (注1)とは、、、、、以下同じ
 また
注1: 8つの classical planet とは、水星、金星、地球、火星、木星、土星、
     天王星、海王星である。


冥王星についての決議 6A
  国際天文学連合はさらに以下の決議をする:
  冥王星は上記の定義によって dwarf planet であり、トランス・ネプチュニ
    アン天体の新しい種族の典型例として認識する。

冥王星についての決議 6B
 6Aの決議に加えて、次の一文を入れる。
  この種族を plutonian objects と呼ぶ。

----------------------- 決議文 訳 (終わり) ----------------------
訳注1:トランス・ネプチュニアン天体は、今まで国立天文台ではエッジワース・
    カイパーベルト天体と表記してきました。

 8月24日14:00から始まる総会で、IAUメンバーは上記の決議案について投票を
行います。決議案は5A,5B,6A,6Bに分れて、別々に投票が行われます。

 今回の定義は、海王星・冥王星より遠い小天体が最近多数発見されているこ
となどにより、これまでの太陽系像を改定する科学的必要が生じたもので、2年
近い討議と特別委員会での検討、さらに今回の総会中の熱心な科学的討議の結
果を受けて修正された決議案です。7名から構成される特別委員会には、国立天
文台の渡部潤一助教授が委員として参加しています。

 採決の結果が発表されるのは、日本時間では25日未明の予定です。国立天文
台では結果がわかり次第、アストロ・トピックスで速報をお知らせする予定で
す。

参照: 第26回国際天文学連合総会ホームページ

    国際天文学連合総会ニュースペーパーページ

    国立天文台ホームページ・惑星の定義について

         2006年8月24日           国立天文台・広報室

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