アストロ・トピックス
No.212: 板垣さん、ペガスス座に超新星を発見
山形県山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、口径60センチ メートルの反射式望遠鏡にCCDを据つけて撮った、ペガスス座の銀河、NGC 7753 の画像の中に 16.5等星の超新星を発見しました。この発見は兵庫県の中野主 一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告され、この 超新星は「2006ch」と命名されました。 超新星の発見時刻は5月9.765日(世界時、以下同様)、明るさは16.5等でした。 また、板垣さんご自身が、この銀河を昨年8月30日と11月10日に観測していま したが、そのときにはこの位置にはなにも星が見えていませんでした。さらに 超新星発見後の観測では、徐々に減光(5月11.764日、16.6等、5月14.752日、 16.8等)しています。 超新星の位置は、 赤経: 23時47分06.12秒 赤緯:+29度28分50.6 秒 (2000年分点) です。 この天体は NGC 7753 の中心位置から、東に約17秒角、南に約10秒角ほど離 れたところにあります。また、今回板垣さんが発見した超新星は、今年最初に発見 された超新星、「2006A」の位置と非常に近いところで出現しました。(IAUC 8656) 板垣さんは昨年8月、うしかい座に(国立天文台アストロ・トピックス(135))、 今年の4月にはおおぐま座に超新星を発見(同(202))しており、今回はそれに続く 快挙です。これでご自身の発見(独立発見を含む)は通算18個目となります。 因みに日本人による今年に入ってからの超新星の発見数は、2月にかみのけ座 に超新星の発見した鈴木章司(すずきしょうじ)さんに続き、板垣さんの4月の 発見と合せて計3個目となります。 参照: SUPERNOVA 2006A IN NGC 7753 IAUC No 8656 (Jan.6 2006). SUPERNOVA 2006bp IN NGC 3953 CBET No.470 (Apr.9 2006). 2006年5月16日 国立天文台・広報室