No.147: 10月3日の金環日食

 日食とは、月が太陽を隠す現象で、「太陽-月-地球」と並んだ際に月の影に
地球が入ると、地上からは太陽が月の影に隠れて見えなくなります。
 太陽の周りを回る地球の軌道が完全な円ではなく、地球-太陽間の距離が少し
ずつ変化することと、地球の周りを回る月の軌道も完全な円ではなく、地球-月
間の距離も変化するため、月の影の地表での投影の様子は、時によって変わり
ます。二つの変化が組み合わさって、月が作る円錐形の本影(ほんえい)の先端
が地表に届く場合と、届かない場合ができます。本影が地表に届く場合は、そ
の本影の中に入ると太陽が月に完全に隠されます。この場合を「皆既(かいき)
日食」と言います。また、本影が地表に届かない場合、上空で一点に集束した
影は再び広がり、擬本影(ぎほんえい)を作ります。この擬本影の中に入ると、
月が地表から遠いために小さく見え、太陽を隠しきれません。月の周りに、明
るい太陽がリング状にはみ出して見えることになります。これを「金環日食(き
んかんにっしょく)」と言います。
 皆既日食の場合も金環日食の場合も、本影や擬本影の周りには「半影(はんえ
い)」ができます。この半影の中に入ると、太陽の一部分が月に隠されて見えま
す。これを「部分日食」と言います。部分日食は、皆既や金環が見られる地域
の周囲の、かなり広い地域で見ることが出来ます。 

 10月3日夕方(日本時間)に金環日食が起こります。残念ですが日本からは部分
日食すら見ることは出来ません。この日食は、ヨーロッパ全域とアフリカのほ
ぼ全域、ロシア東部、中近東、インドで見ることができます。金環日食が見ら
れる地帯は、ポルトガル最北部から、スペインを横切り、地中海を通り、アル
ジェリア、チュニジア、リビア、スーダンを横切り、ケニアを経て、インド洋
に抜けています。

 スペイン・マドリッドの場合、おおよそ以下のような時間で現象が進みます。

           スペイン時間(夏時間) 日本時間
    部分日食始    9時40分      16時40分
    金環日食始   10時55分      17時55分
    金環日食終   11時00分      18時00分
    部分日食終   12時23分      19時23分

 天文現象などをインターネットで中継している非営利団体「ライブ!ユニバー
ス」は、大都市を通る稀な金環日食をインターネットで中継するプロジェクト
「LIVE! ECLIPSE 2005 Annular」を行います。

 中継URLは http://日食中継.jp/ です。
(日本語URLが開けない場合は http://www.live-eclipse.org/ )

参照:LIVE! UNIVERSE              http://www.live-universe.org/
   LIVE! ECLIPSE 2005 Annular http://www.live-eclipse.org/
            (日本語URL http://日食中継.JP/)

        2005年9月29日            国立天文台・広報室

国立天文台 メールニュース

国立天文台 アストロ・トピックスは、2010年6月まで発行していたメールニュースです。2010年7月からは、「国立天文台 メールニュース」として装いも新たにし、注目いただきたいトピックスの主要な内容とその詳細情報の参照先をお届けしています。

国立天文台 メールニュース