自然科学研究機構 国立天文台

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No.131: 高校生天文研究体験学習「美ら星研究体験隊」が新しいメーザー源を発見

 国立天文台では沖縄県八重山地区の高校生が、国立天文台VERA(ベラ)観測所
石垣島観測局の20メートル電波望遠鏡を使って観測を実際に行う「美ら星研究
体験隊(ちゅらぼしけんきゅうたいけんたい)」を今年初めて8月2日~3日の2日
間に実施しました。
 これは、三鷹キャンパスで毎年行っている「君が天文学者になる4日間」の石
垣島版として企画されたものです。

 今回、高校生と観測所所員は272点の候補地点を観測し、1つの新しいメーザー
天体を発見しました。これは、水分子の出すメーザーを伴った天体で、さそり
座にあります。
 受信した電波の強さは1ワットの1兆分の1のさらに1万分の1で、非常に微弱な
ものです。また太陽系に秒速約50キロメートルの速度で近づいてきています。
天の川銀河の中にこの種のメーザー天体は2000個程度しか見つかっておらず、
今回の発見は日本天文学会での発表に値する重要なものです。また天の川銀河
の精密な地図を作成するというVERAの観測にとっても観測天体を増やすことが
できました。

 美ら星研究体験隊は、石垣少年自然の家をはじめ、八重山地区県立高等学校
長連絡協議会・NPO八重山星の会の賛同を得て実行委員会を結成し、実際の研究
に高校生が参加するという体験学習を実施しました。今回の企画は、8月2日~
4日の3日間、少年自然の家に寝泊りしながら、VERA観測局の20メートル電波望
遠鏡観測を使い観測と研究をおこなう予定でしたが、台風9号接近のため、3日
で終了しました。結局、8月2日の夜だけの観測となりましたが、13名の高校生
が参加し、観測をおこなった結果、新しいメーザー天体を見つけることができ
ました。
 この研究体験の内容は、8月6日~7日に開催された「南の島の星まつり」の中
でも紹介され、7日に八重山支庁大会議室で行われた記念講演会では、三班の高
校生がそれぞれの観測と研究の結果を発表しました。

 メーザー天体の発見は、天の川銀河の天体の精密な地図を作成する上で研究
者の間で重要視されており、高校生が発見したのは日本初で、今回体験隊を指
導した国立天文台 VERA観測所長の小林秀行(こばやしひでゆき)さんは「研究の
現場で誰も知らないことを高校生が発見した。大変貴重な発見で、来春の学会
で発表したい」としています。

参照:国立天文台 VERA観測所 http://veraserver.mtk.nao.ac.jp/index-J.htm

              2005年8月18日                       国立天文台・広報室

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