自然科学研究機構 国立天文台

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No.107: 火星探査機スピリット、火星の流星群を発見か?

 地球で流星が出現するように、大気のある惑星であれば流星現象は存在しま
す。アメリカの探査機ボイジャー1号は、木星に接近した際に木星の夜側で非常
に明るい流星を捉えたことがありますし、地球型の惑星である火星や金星でも、
同様に流星は存在するだろうと予測されていました。

 特に流星が特定の時期に多く流れる流星群は、惑星と彗星の軌道が交差して
いることから起きる現象です。調べてみると、いくつかの彗星の軌道が火星の
軌道と交差しており、そこを通過する時期には、火星でも流星群が起きている
のではないか、と考えられていました。
 2004年3月7日、火星探査機スピリットのパノラマカメラが火星での流星現象
を捉え、研究の結果、これが火星で定常的に出現する流星群のものである可能
性が高くなりました。

 火星で流星群を起こすと予測されていた彗星のひとつが、6.7年ほどの公転周
期を持つワイズマン・スキッフ彗星(114P/Wiseman-Skiff)です。この彗星の軌
道は火星軌道と交差していて、計算によれば2004年3月11日前後に流星群が出現
する可能性があると予測されていました。スピリットが流星を撮影したのは3月
7日ですので、時間的には十分に近いといえるでしょう。流星群の活動は前後一
週間ほど継続することが多いからです。また、撮影された流星の経路や光り方
から推定された速度も、計算上の予測とよく合っていました。これらのことか
ら、今回撮影された流星は、たったの一例ではありますが、ワイズマン・スキッ
フ彗星を母彗星とする火星の定常流星群のはじめての検出といえるでしょう。
 この流星群は火星の公転周期ごとに毎回出現するとされていますが、今回と
同様に多数の流星出現が期待されるのは、計算によれば、2公転後の2007年12月
20日前後と予測されています。

参照:Selsis, F. et al. "A Martian meteor and its parent comet",
                    Nature 435, 581(2 June 2005).

      2005年6月2日            国立天文台・広報普及室

国立天文台 メールニュース

国立天文台 アストロ・トピックスは、2010年6月まで発行していたメールニュースです。2010年7月からは、「国立天文台 メールニュース」として装いも新たにし、注目いただきたいトピックスの主要な内容とその詳細情報の参照先をお届けしています。

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