自然科学研究機構 国立天文台

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No.049: 出現するか、ジャコビニ流星群

 ジャコビニ流星群(別名・りゅう座流星群)は、毎年10月上旬に出現する流星
群です。流星の元となる塵(ちり)粒を供給している母彗星はジャコビニ・ジン
ナー彗星と呼ばれる周期6.6年の短周期彗星です。

 例年は出現数が少ないのですが、母彗星の回帰ごとの6年あるいはその倍の13
年毎に、大出現を見せることがあります。これまで一時間数千個以上の極端な
大出現が1933年、1946年にありました。最近では1998年には日本を中心に1時間
あたり100個近い流星が観測されました。次回のジャコビニ・ジンナー彗星の回
帰は来年の夏ですので、大出現があるとしても来年の可能性が高いと考えるの
が従来の見方でした。

 しかし、どうやら今年はもしかすると予想外に出現するかもしれないという
予想が複数の研究者によって指摘されています。
 最近のしし座流星群の出現を予報した時と同様の手法、すなわち過去の回帰
時に母彗星から放出された流星の元になる塵粒の群れ(ダスト・トレイル)の軌
道計算の結果によれば、1800年代の回帰時に放出・生成された複数のダスト・
トレイルがほぼ同時刻、日本時間で10月6日7時~8時頃に地球と遭遇し、かなり
の出現が見られる可能性があるというのです。別の研究では、遭遇の時間は10
月6日3時~7時ですが、もともと古いトレイルのために地球や木星の引力でかな
り拡散しているので、出現数はそれほど多くないだろうという予想もあります。

 日本において10月6日3時~8時という時間帯は、ジャコビニ流星群の輻射点が
北の空にほとんど沈んでいる上に、夜明けになってしまっていますので、流星
を眺める条件としては良くありません。観測適地はヨーロッパ方面となります。
真昼でも可能な流星の電波観測では、その出現が捕捉される可能性もあり、イ
ンターネットで公開されている流星電波観測ライブなどで楽しめるかもしれま
せん。

 いずれにしろ、これらの予報は出現を確実視するものではありませんし、た
とえ出現しても時間帯がずれる可能性があります。10月6日を挟んで数日間は、
日本における観測に適した時間帯である日没後から夜半前にかけて夜空に注意
しているのは無駄ではないでしょう。緩やかに、そしてホロホロと崩れるよう
な独特の流れ方をするジャコビニ流星群の流れ星に、出会えるかもしれません。

参照:日本流星研究会 http://www.nms.gr.jp
   流星群出現予報計算結果
       http://www.nms.gr.jp/prediction-bysato.html
        http://kaicho.pobox.ne.jp/tenshow/meteor/21p2004/2004.htm
   流星電波観測国際プロジェクト(電波観測ライブ)
         http://homepage3.nifty.com/AMRO/

      2004年9月29日            国立天文台・広報普及室
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※この情報は日本流星研究会の川崎康寛(かわさきやすひろ)さん、小川宏(おが
 わひろし)さんより、いただきました

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