アストロ・トピックス
No.022: カッシー二探査機、いよいよ土星へ到着
1997年10月の打ち上げ以来、実に6年8ヵ月もの長い旅を続けていたカッシー ニ探査機が、ついに目的地である土星に到着します。 カッシーニ探査機は、すでに6月中旬に主エンジンを噴射して速度を減速させ、 土星への到着準備を整えていました。日本時間で7月1日の11時36分に、再びエ ンジンを噴射し、さらに減速して土星に近づきます。土星のリングの中でも外 側にある薄いFリングとGリングの間を通過しながら、約一時間半の噴射によっ て、12時54分には土星を周回する軌道に入る予定です。今回の土星への最接近 は13時03分の予定で、接近距離は土星の雲頂から19980キロメートルとなります。 予定では、エンジン噴射終了後の13時35分には、土星のリングの撮影を行う ことになっています。順調にいけば、最初の画像が7月2日9時頃には地球に届く でしょう。1981年8月25日、探査機ボイジャー2号が1万2000キロメートルを接近 通過して以来、約23年ぶりの土星への探査機接近となりますので、どんな画像 が送られてくるか楽しみです。 今後、カッシーニ探査機は、4年間にわたって土星を周回しながら、本体やリ ング、様々な衛星等の観測を行う予定です。また、その間には土星の衛星で濃 い大気を持つタイタンの上空に接近し、レーダー観測を行うほか、年末には小 型衛星のホイヘンスを大気中に投入することになっています。パラシュートを 展開して約3時間にわたって大気中を降下しながら、大気の様々な観測を行い、 タイタンの表面に到着することになっています。 参照:カッシーニ探査機ホームページ(英語) http://saturn.jpl.nasa.gov/ 2004年6月30日 国立天文台・広報普及室