自然科学研究機構 国立天文台

メニュー

検索

No.014: こどもの日の早朝に皆既月食

 今年のこどもの日(5月5日)早朝には、皆既月食という天文現象が起こります。
この皆既月食は、日本では2001年1月10日以来の久しぶりの現象となります(国
立天文台・天文ニュース (410))。

 皆既月食というのは、満月が地球の影にすっぽりと入り込んでしまう現象で
す。その時に月には太陽の光が直接届かなくなって、地球の高層大気を回り込
んできた赤色の光だけに照らされる赤銅(しゃくどう)色の月となります。大規
模な火山噴火などがあると、高層大気に火山灰が舞うために、その光も届かな
くなり、皆既中の月が全く見えなくなったりしますが、今回はその可能性はな
さそうです。

 ただ、今回の皆既月食では、残念ながら日本では皆既中の月を長時間楽しむ
ことはできません。皆既が始まる頃には、月が西の地平線に沈んでしまうため
です。
 部分月食の開始は午前3時48分ですから、月はすでに西にかなり傾いています。
皆既食の開始が4時52分となりますので、関東以北では皆既食になる前に月が沈
んでしまいます。皆既食の最大が5時30分で、関東以西でも皆既食の最中に月が
沈む月入帯食となります。
 ただし、沖縄などの南西諸島では、食の最大まで見ることができます。その
意味で、今回の皆既月食は条件的には恵まれていませんが、逆に言えば地平線
に沈んでいく月を、じっくりと眺めるチャンスかもしれません。
 また、各地の公開天文台では月食の様子をインターネットで中継するところ
もありますので、家の中でパソコンを使って観察してもおもしろいでしょう。

 ちなみに、次の月食は 2005年10月17日となりますが、これは最大でも7パー
セントしか欠けない部分月食です。次の皆既月食は、2007年3月4日ですが、日
本では今回と同様に皆既食にならないうちに沈んでしまいます。皆既中を含め
て条件が良く観察できるのは、2007年8月28日の皆既月食となります。

 彗星は夜空が美しい場所でないと、なかなか眺めることができませんが、皆
既月食は天気さえ良ければどこでも楽しめる現象ですので、こどもの日には早
起きして眺めたいものです。

参照:Espenak,F., Fifty Year Canon of Lunar Eclipses 1986-2035(1989).
   AstroArts 星空ガイド 【特集】2004年5月5日 皆既月食
    http://www.astroarts.co.jp/special/20040505lunar_eclipse/index-j.html
   ほか

      2004年4月28日            国立天文台・広報普及室

国立天文台 メールニュース

国立天文台 アストロ・トピックスは、2010年6月まで発行していたメールニュースです。2010年7月からは、「国立天文台 メールニュース」として装いも新たにし、注目いただきたいトピックスの主要な内容とその詳細情報の参照先をお届けしています。

国立天文台 メールニュース