真上から見た渦巻き銀河NGC 6946の星形成

天体写真・

NGC6946

ケフェウス座の方向にある、渦巻き銀河NGC 6946の星形成領域を鮮明に写し出した1枚。ガスが豊富に分布し、星形成活動を起こしている渦巻き円盤をほぼ真上から見ているため、銀河のどの場所で、どのように星が生まれているかを詳細に研究することができます。赤い色は、水素原子からの輝線(バルマーα輝線)が強い領域を表し、電離紫外線を強く放射している若い高温の星があることを示しています。このような領域は、渦巻き内のみならず、銀河の非常に外側でも見つかっています。銀河の外縁部は、ガスの密度がたいへんに低く、本来星は生まれにくいと考えられていましたが、すばる望遠鏡の広視野、高感度の可視光線観測で、星が生まれている兆候が見つかりました。昨今活発に研究が行われている分野の一つです。

渦巻き銀河の「外側」とも言える 外縁部領域での星形成モードの研究

すばる望遠鏡によるこの研究は、米国航空宇宙局(NASA)のGALEX紫外線観測衛星による驚きの発見から始まりました。渦巻き銀河NGC 6946などの近傍銀河を観測すると、これまで光の望遠鏡で観測された銀河の輪郭よりもさらに「外側」の領域に、紫外線光が検出されることが分ったのです。この紫外線が何らかの星形成活動の兆候であることまではすぐに理解されました。ただし星を形成する元となるガスもあまりない外縁領域でのことです。 これまでに知られていなかった形(モード)で星形成が起きているのではないかと考えられます。大質量の星はとくに生まれにくいだろうと多くの研究者は考えていました。

ところが予想に反して、すばる望遠鏡の高感度観測によって、大質量星の紫外線で電離された水素ガスから出る輝線が大量に検出されました。写真では銀河の外側、暗い空が広がっている部分を詳細に解析すると、この輝線が見えてきます。つまり低密度の銀河のほとんど「外側」とも言える場所にもかかわらず、大質量の星が生まれているわけです。何らかの理由で、少ないガスが効率的に集まって大質量の星が作られていることになります。驚き続きの研究ですが、銀河の中で星がどのように生まれるのかを理解する上で、重要な手がかりとなると考えられます。

文:今西昌俊(国立天文台ハワイ観測所)、協力:幸田仁(Stony Brook University)