アルマ望遠鏡アンテナへの受信機搭載

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アルマ望遠鏡アンテナへの受信機搭載

標高5000メートルのアルマ望遠鏡山頂施設で、12メートルアンテナに受信機を搭載する作業の様子を撮影しました。空港で見かけるような荷台をリフトアップすることができる専用の車両を用いて、アンテナの所定の位置に受信機を搭載します。スタッフに引かれて荷台から出てきたのが、真空冷凍容器に収められた受信機です。真空冷凍容器ごとアンテナの焦点面に据え付けられ、冷たい宇宙からの微弱な電波を待ち受けます。

過酷な環境で作業を支える特殊車両

受信機を搭載する専用の車両は「フロントエンド・サービス・ビークル(Front-End Service Vehicle: FESV)」と呼ばれ、同型の車両が2台あります。受信機は一定期間ごとにメンテナンスが必要ですが、そのたびに重さ100トンのアンテナごと山麓施設(標高2900メートル)まで運ぶのはたいへんなので、真空冷凍容器に入った受信機だけを取り出して運搬します。精密機械である受信機をマイナス269度まで冷却したまま運ぶため、車両には電源を供給する発電機が搭載されています。この他、アンテナへの搭載作業に必要な小型フォークリフトやさまざまな道具が積み込まれており、アルマ望遠鏡の成果を支える縁の下の力持ちといえます。これらの車両は台湾で開発されたため、1号車には「梅花(Mei-Hua)」、2号車には「藍鵲(Lan-Que: 台湾固有の鳥ヤマムスメ)」の名がつけられています。

文:平松正顕(チリ観測所/天文情報センター)