見かけの火星の大きさ

接近の日付が8月27日と聞いて、この日しか見ることができないと思われてい
る人が多くいらっしゃるようです。
 この日の視直径(見た目の直径)は25.13秒角(1度=60分角=3600秒角)ですが、
これは、大接近の日の火星の大きさを1キロメートル先に置いた円の直径に換算
すると12.18センチメートルに相当します。下の表に見るように,約一ヶ月前の
7月23日でも視直径は既に20秒角を超え、同じく10センチメートルを少し超えた
大きさに相当します。


 以下に、主な比較の表を載せますが、「火星大接近」という天文現象は、そ
の日だけ・数日間だけの短い現象ではないことがお分かりいただけるかと思い
ます。

           

日付  視直径(秒角) 1キロメートル先に置いた円が 火星と同じ大きさの視直径になる実直径(センチメートル)
       
2003年 7月 2日 16.93 8.21
  7月 9日 18.17 8.81
  7月16日 19.46 9.44
  7月23日 20.79 10.08
  7月30日 22.10 10.71
  8月 6日 23.28 11.29
  8月13日 24.26 11.76
  8月20日 24.90 12.07
  8月27日 25.13 12.18
  9月 3日 24.89 12.07
  9月10日 24.22 11.74
  9月17日 23.20 11.25
  9月24日 21.96 10.65
  10月 1日 20.59 9.98
  10月 8日 19.20 9.31
  10月15日 17.84 8.65
  10月22日 16.55 8.02
  10月29日 15.36 7.44

     

注:・日本時間 21時の値
  ・DE405(米国ジェッ ト推進研究所が惑星探査用に編纂した数値積分による
      惑星暦)による計算
  ・火星の赤道実半径は3396.2キロメートル(IAU(International Astronomical
   Union; 国際天文学連合)がIAG(International Association of Geodesy;
   国際測地学協会)と共同のワーキンググループで2000年に採用した値)。
   これまでの、火星大接近の視直径25.11秒角は、以前に使われていた赤道
   実半径の値3393.4キロメートルで計算されていたもの。

より詳しくは、国立天文台ニュース(659)をごらんください。