vsolj-news 233: Nova Ophiuchi 2010 VSOLJ ニュース (233) 今年初の銀河系内新星の発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@phys.kyushu-u.ac.jp 夜明け前の東の空に、夏の天の川が見えるようになると、新星発見のシーズ ンが始まります。その口開けとも言える、今年初の銀河系内の新星発見のニュー スがありました。発見されたのは、静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお) さん、これまでにも多数の新星を発見してきたベテラン天体捜索者です。 西村さんは、1月15.857日(世界時、以下同様)にデジタルカメラで撮影した 画像上で、8.4等級の見慣れない光点に気付きました。遡って調べてみると、 13.86日撮影の画像には9.5等より明るい天体はありませんでしたが、14.865日 撮影の画像では、画像の限界に近い10.1等ほどで写っていました。さらに、山 形市の板垣公一(いたがきこういち)さんが16.860日に、埼玉県上尾市の門田健 一(かどたけんいち)さんが16.860日にこの天体を確認しています。天体の位置 (板垣さんの測定)は、 赤経 17時39分40.94秒 赤緯 -21度39分47.9秒 (2000年分点) で、へびつかい座の脚のあたりになります。昔の画像では、この位置に20等級 より明るい星はありません。2秒角ほど離れた位置には、赤等級が16等級台の 赤い星がありますが、新星とこの星とが関係あるかどうかを含め、今後の詳細 な観測が期待されます。 参考文献:CBET 2128 (2010 Jan. 16) 2010年1月17日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開   等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典   を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、   VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で   す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が   subscribe vsolj-news   と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。   なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。