国立天文台・天文ニュース(693) 板垣さん、今年初の超新星を発見  山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、2003年には超新星を 4個も発見するなど、精力的に活躍中の新天体捜索者です(国立天文台・天文ニュー ス(441)、(500)、(587)、(625)、(635)、(673)、(678))。  その板垣さんがヘルクレス座の渦巻銀河NGC6207に超新星を発見しました。 これは口径28センチメートルの反射望遠鏡とCCDによる発見です。  この発見は洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合 へ報告され、2004Aという名前が付けられました。この超新星は世界を通じて今 年初めての超新星の発見です。  この超新星が発見されたのは1月9.84日(世界時、以下同)で、そのときの明る さは15.7等級と報告されています。10.75日にもほぼ同じ明るさで確認されてい ます。  板垣さんの測定による超新星の位置は、     赤経 16時 43分 10.90秒     赤緯 +36度 50分 12.5 秒 (2000年分点) で、母銀河の中心から西に22秒角、北に17角にあたります。板垣さんが2003年 12月27日に撮影された画像では、18等級より明るい天体はこの位置になく、こ の超新星は爆発から2週間以内であろうと考えられます。また、群馬県立ぐんま 天文台の65センチメートル望遠鏡によって、1月11日にスペクトルが撮影され、 タイプIIの超新星の可能性が指摘されています。  今後、分光タイプの決定や光度変化の追跡が待たれます。 参照:VSOLJ ニュース (118): SN 2004A in NGC 6207 (2004年1月11日). IAUC 8265 (Jan. 10, 2004). IAUC 8266 (Jan. 12, 2004).      2004年1月13日 国立天文台・広報普及室