国立天文台・天文ニュース(613) 木星と海王星に新衛星発見  昨年末から今年の初めにかけて、木星と海王星に相次いで新衛星が発見され ました。  昨年、アメリカ ハワイ大学のシェパードによって、木星に新しい衛星が発 見されたことが、12月18日のIAUC(国際天文学連合回報)で報じられました。 発見された衛星はひとつで、木星の自転とは逆方向に木星のまわりを公転して います。衛星には S/2002 J 1 という仮符号がつけられています。  シェパードは2000年に10個、2001年にも11個、木星の新しい衛星を発見して います。  次いで、アメリカ ハーバード・スミソニアン宇宙物理学センターのホール マンらのグループによって、海王星に新たに3つの衛星が発見されたことが、今 年の1月13日のIAUCで報じられました。  今回発見された海王星の衛星は、大きさが30から40キロメートルとたいへん 小さく、おおよそ25等級以下の明るさでした。衛星には S/2002 N 1 から N 3 という仮符号がつけられています。  海王星に新たに衛星が見つかったのは、1989年のアメリカの探査機ボイジャー 2号による発見以来のことで、地上からの観測によって発見されたのは、1949年 に天文学者のジェラルド・カイパーが衛星ネレイドを発見して以来のことにな ります。  これらの発見によって、現在太陽系ではっきり確認されている大惑星の衛星 の数は次のようになりました。   水星    なし   金星    なし   地球     1個   火星     2個   木星    40個   土星    30個   天王星   21個   海王星   11個   冥王星    1個 参照:IAUC 8035(2002 December 18).    IAUC 8047(2003 January 13).    Scott S. Sheppard, The New Jupiter Satellite S/2002 J1    Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics Press Release                    New Moons Found Around Neptune 2003年1月16日 国立天文台・広報普及室