国立天文台・天文ニュース(606) 新彗星は工藤・藤川彗星に  天文ニュース (605)でお伝えした新彗星2002 X5ですが、香川県三豊郡大野原 町の藤川繁久(ふじかわしげひさ)さんも独立発見をしており、工藤・藤川彗星 (COMET C/2002 X5 (KUDO-FUJIKAWA))の呼称が与えられました。  藤川さんは12月15日午前5時35分に口径16センチメートル反射望遠鏡で発見し ています。この内容は国立天文台の渡部潤一(わたなべじゅんいち)さんを通じ て国際天文学連合へ報告されました。  公表された軌道要素は以下の通りです。       近日点通過時刻 = 2003 Jan. 28.776 TT       近日点距離   = 0.18485 天文単位       離心率     = 1.0       近日点引数   = 188.205度       昇交点黄経   = 119.389度 (2000.0)       軌道傾斜角   = 94.431度  2003年1月中旬に肉眼彗星になりそうです。  藤川さんは彗星観測のベテランで、これまでに8個の彗星を独立発見してい ます(*)。また、既報の彗星であったため独立発見としては認められなかった 彗星も多く発見しています。 参照 IAUC 8033(Dec. 16, 2002).    MPEC 2002-Y14. 2002年12月17日 国立天文台・広報普及室 (*) 国立天文台 広報普及室の資料による   第3独立発見者までは彗星に名前が付きますが、第4独立発見者以降は付き   ません。   呼称がついたのは以下の5彗星。     藤川彗星 (C/1969 P1)     大道・藤川彗星 (C/1970 B1)     森・佐藤・藤川彗星(C/1975 T1)     デニング・藤川彗星(72P/Denning-Fujikawa (1996))     菅野・三枝・藤川彗星(C/1983 J1)