国立天文台・天文ニュース (312) 高見沢さん、超新星を発見  長野県の高見沢今朝雄(たかみざわけさお)さんが、超新星を発見しま した。  高見沢さんは、12月4日(日本時間)早朝4時過ぎに撮影した写真から、 「うみへび座」の銀河NGC 2986のすぐそばに、14.6等の超新星が出現し ているのに気付きました。発見は中野主一(なかのしゅいち)氏によって 国際天文学連合に報告され、その結果、この超新星にはSN 1999 gh の 符号がつけられました。これは今年になって発見された190番目の超新 星にあたります。ただし、その中の2個、SN 1999 db、SN 1999 diは、 後に超新星でないことがわかり、取り消しになっていますから、実質上 は188個目の超新星です。日本人としては、1ヶ月前に富山県の青木昌勝 (あおきまさかつ)さんが超新星SN 1999 euを発見して以来です。  今回発見された超新星の精密位置は、 赤経 9h 44m 19.75s 赤緯 -21゜16' 25.0" (2000.0) で、母銀河NGC 2986の中心から東に52"、北に15.8"離れたところです。  カリフォルニア大学のフィリペンコ(Filippenko,A.V.)らがケックII 望遠鏡で12月5日に撮影したCCDスペクトルにより、このSN 1999 ghはタ イプIaの超新星であることがわかっています。  高見沢さんはこれまでにも超新星としてSN 1996 Xを発見しています し、新星Nova Aql 1995、Nova Oph 1998の発見者でもあります。さらに 高見沢彗星(98P/Takamizawa)、西川-高見沢-多胡彗星(C/1987 B1)、マ クホルツ彗星(C/1988 P1)、高見沢-レビー彗星(C/1994 G1)、高見沢彗 星(C/1994 J2)など5個の彗星を独立発見しています。実績のあるベテラ ンの観測者です。 参照 IAUC 7328(Dec. 5, 1999). 1999年12月9日 国立天文台・広報普及室