国立天文台・天文ニュース (240)             串田麗樹さん、超新星を独立発見  山梨県、八ケ岳南麓天文台の串田麗樹(くしだれいき)さんは、2月14日(日本時)、 「かに座」の銀河NGC2595に、15.5等の超新星を発見しました。これは口径40センチの シュミット・カセグレン望遠鏡とCCDによる発見です。串田嘉男(くしだよしお)氏の測 定によると、この超新星の位置は、          赤経 8時27分42.13秒          赤緯 +21・29' 15.5" (2000.0) で、銀河中心から東に1.7"、北に30.8"のところです。この超新星は、串田麗樹さんが 発見した7個目のものにあたります。  実をいいますと、この超新星は、イギリスのアーバー(Arbour,Ron)が口径30センチの 反射望遠鏡で超新星捜索のパトロール中に、2月11日にすでに発見したものでした。ま た、同じ日に北京天文台、興隆観測所の口径60センチ望遠鏡でも発見されていました。 したがって、残念ながら、串田麗樹さんが最初の発見者とはなれませんでした。だから といって、独立発見の価値が小さいわけではありません。  この超新星は SN 1999 aa の記号がつけられていて、1999年に入って発見された27個 目の超新星です。リック天文台のスペクトル観測によると、特異型のタイプI-a の超新 星ということです。  最近は各地の観測所による系統的捜索の結果、超新星の発見数がうなぎのぼりに増 え、昨1998年には、これまでで最多の、160個の超新星が発見されています。 参照 IAUC 7108(Feb. 12, 1999). IAUC 7109(Feb. 15, 1999).       1999年2月18日         国立天文台・広報普及室