国立天文台・天文ニュース (76) 佐々木さんも超新星を発見  前回の天文ニュース(75)で、青木さんが2個の超新星を発見したことをお伝えしまし た。これに続いて、茨城県波崎町の佐々木俊司(ささきしゅんじ)さんも、12月20日未 明の観測で「うしかい座」の銀河 NGC5673 に超新星を発見しました。この超新星の符 号は SN 1996cc です。このところ、日本人による超新星の発見が三個続いたことにな りました。  佐々木さんは口径20センチの反射望遠鏡を使って、12月20日の3時27分および3時33分 (日本時間)に撮影した2枚の写真から、銀河 NGC5673 のところに、それまで存在しな かった超新星状の天体があることに気付いたのです。この発見は中野主一氏を通じて国 際天文学連合に報告され、確認されました。発見時の明るさは約15等でした。  その後、山梨県八ケ岳南麓天文台の串田麗樹さんもこの超新星の存在を確認し、つぎ の精密位置を測定しています。           赤経 14時 31分 28.45秒           赤緯 49度 57分 43.8秒 (2000.0) これは銀河 NGC5673 の中心から西に25秒、北に14秒のところです。なお、このすぐ近 くの赤経14時31分30.0秒、赤緯49度57分35秒に15等の恒星が存在します。誤認しないよ うに注意が必要です。  佐々木さんは過去に超新星 SN 1992G を単独で発見したことがあり、また、発見者が 多数であった SN 1994I でも独立発見者の一人です。したがって、今回の SN 1996cc は佐々木さんにとって3個目の超新星発見になります。 参照 IAUC 6525(Dec.21,1996) 編集担当からのお知らせ : 今年も天文ニュースをご利用いただきありがとうございま す。年内の発行はこれで終わります。つぎの発行は1997年1月9日の予定です。 1996年12月26日         国立天文台・広報普及室