国立天文台・天文ニュース (75)             青木さん、二個の超新星を発見  富山市の青木昌勝(あおきまさかつ)さんは、12月15日から16日にかけての夜に超新 星と思われる2個の天体を引き続いて発見しました。この発見は洲本市の中野主一(な かのしゅいち)氏を通じて国際天文学連合に報告され、その後の観測によって超新星で あることが確認されて、それぞれ SN 1996ca、SN 1996cb の符号が付けられました。青 木さんの超新星発見の数はこれで4個になり、すべて今年の発見です。  一つめの超新星 SN 1996ca は、12月15日20時(日本時間)ころに、口径46センチの 反射望遠鏡を使ったCCD撮像から発見されたものです。明るさは16.5等、位置は 赤経 22時 30分 59.26秒 赤緯 -13度 59分 50.9秒 (2000.0) で、「みずがめ座」の銀河 NGC7300 の中心から西に8.7秒、北に20.5秒離れたところで す。これはタイプIaの超新星で、極大光度を数日過ぎたときの発見と見られています。  二つめの超新星 SN 1996cb は、上と同じ望遠鏡、同じシステムにより、16日2時(日 本時間)ころの撮像から発見されたものです。明るさは同じく16.5等、位置は          赤経 11時 3分 41.98秒          赤緯 28度 54分 13.7秒 (2000.0) で、「しし座」、「おおぐま座」の境界に近い「こじし座」の銀河 NGC3510 の中心から 西に20.9秒、北に65.7秒離れたところです。これはタイプIIの超新星で、極大前後の発 見と思われます。  これまでの年と比べますと今年は超新星の発見が非常に多く、これまでに80個に達し ています。そのうち7個が日本人による発見で、高見沢今朝雄(たかみざわけさお)さん (天文ニュース 28)、岡崎清美(おかざききよみ)さん、串田麗樹(くしだれいき) さん(天文ニュース 69)が1個ずつ、青木さん(天文ニュース 44,50)が4個です。また、 これまでに日本人が発見した超新星の総数は19個になります。 参照 IAUC 6523(Dec.17,1996) IAUC 6524(Dec.17,1996) 1996年12月19日        国立天文台・広報普及室