国立天文台・天文ニュース (44) 青木さん、超新星を発見  富山市の青木昌勝(あおきまさかつ)さんは、7月28日未明(日本時間)、口径43セ ンチの反射望遠鏡で観測したCCDの像から、「エリダヌス座」の銀河NGC1084に、14等の 超新星を発見しました。この発見は、洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんによっ て国際天文学連合に報告され、超新星 SN 1996an として確認されました。  この超新星の位置は、NGC1084の中心から東に15"、北に22"離れたところで、八ケ岳 南麓観測所の串田嘉男(くしだよしお)さんが求めた精密位置は、          赤経  2時 46分 0.83秒          赤緯 -7゜ 34' 20.3" (2000.0) です。  ヨーロッパ南天天文台のベネッティ(Benetti,S.)らは、7月30日、チリにあるラシラ 天文台の1.5メートル望遠鏡によってCCDスペクトル観測を行ないました。その結果にに よりますと、SN 1996anは、爆発から約2か月たった、タイプIIの超新星と見られるとの ことです。  超新星の符号は、その年の発見順に、たとえば SN 1996A,SN 1996B,とアルファ ベットの大文字を年号に添えた形でつけられます。SN は超新星(Super Nova)を意味す る略語です。Zまでのすべてのアルファベットが使い果たされますと、こんどは小文字 二文字を使って、SN 1996aa,SN 1996ab,SN 1996ac,という順に符号をつけます。し たがって、SN 1996an は今年に発見された40個目の超新星です。そしてまた、これは今 年になって日本人が発見した二番目の超新星でもあります。1個目は高見沢さんによる SN 1996Xでした(天文ニュース(28))。 参照 IAUC 6442(July 30,1996) 1996年8月1日          国立天文台・広報普及室