国立天文台・天文ニュース (28)              高見沢さん、超新星を発見  長野県佐久町の高見沢今朝雄(たかみざわけさお)さんは、4月12日夜に撮影した写真 から、「うみへび座」の銀河NGC5061に13.5等の超新星が出現しているのを発見しまし た。この発見を国際天文学連合に報告したところ、この超新星はオーストラリアのエバ ンズ(Evans,Robert O.)も眼視で発見、報告していたことがわかりました。その結果、 この超新星は、二人の独立発見であることが認められ、超新星1996Xの記号が付けられ ました。この記号の1996は発見の年を表わし、Xはその年の初めから順にA,B,C,・・・ と付けられる番号です。したがって、これは今年になってから24番目に発見された超新 星になります。  八ケ岳南麓天文台の串田夫妻の測定によりますと、この超新星の精測位置は、 赤経 13時 18分 1.13秒 赤緯 -26゜ 50' 45.3" (2000.0) で、銀河中心から西に52"、南に31"のところです。  その後のスペクトル観測により、これは典型的なIa型の超新星ということがわかりま した。明るさがほぼ極大のときに発見されたもので、今後しだいに暗くなると思われま す。  この発見者の高見沢さんは、これまでに5個の彗星を発見(98P/1984 O1(Takamizawa), C/1987 B1(Nishikawa-Takamizawa-Tago),C/1988 P1(Machholz),C/1994 G1(Takamizawa- Levy),C/1994 J2(Takamizawa))している上に、昨年は「わし座新星1995」を発見してい ます。彗星、新星、超新星と、ひとりで三種の新天体を発見するのは、たいへん珍しい ことです。 参照 IAUC 6380 IAUC 6381    1996年4月16日        国立天文台・広報普及室