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国立天文台公開講演会 「国立天文台の文化財―日本の天文学の歴史を探る―」

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講演要旨

「天文アーカイブスへの挑戦 −過去、現在、そして未来へ−」
渡部潤一(国立天文台 教授)

国際天文学連合の国別会員数では、日本はついに世界第3位となって、名実共に天文学をリードする国として、次々と新しいプロジェクトが立ち上がっています。その一方で、これまでの軌跡を語るべき一時代を築いた観測装置や測定装置、写真乾板などが無惨な状態で放置され、あるいは廃棄されていました。われわれは、このような状況を憂慮し、2008年4月に天文情報センター内に「アーカイブ室」を立ち上げました。まだ保管されていた各種の観測装置・測定装置を発掘・復元し、同時に行方不明となっていた装置を捜索・回収し、また過去の写真や映像のデジタル化を進め、さらに所属が不明となった大量の写真乾板の整理に着手しています。スタートして2年、レプソルド子午儀が重要文化財の指定を受けるなど、一連の成果が挙がりつつあります。われわれの天文アーカイブスのこれまでの道のりと、将来の天文博物館(仮称)へつなごうとする夢を語ります。

「日本の天文学の夜明け 麻布から三鷹の地へ」 中村 士(帝京平成大学 教授)

三鷹の国立天文台は現在、世界の主要な天文学の研究拠点のひとつである。しかし、明治の開国以来、我が国の天文学が現在のように高度な発展を遂げるまでの道筋は決して平坦ではなかった。お雇い外国人に代わって、フランスで近代の西洋天文学を最初に修めた寺尾寿が、東京天文台長に就任したのは明治21年(1888)である。寺尾の教え子だった木村栄や平山清次は、初めて国際的に評価された研究業績を挙げた。その後、大正12年の関東大震災を契機に、東京天文台は麻布から三鷹の地へ移転する。三鷹では大赤道儀望遠鏡やアインシュタイン塔望遠鏡などの大型観測装置が導入されたが、太平洋戦争に至るまで、目覚しい科学的成果は生まれなかった。日本の天文学が飛躍するのは昭和30年代以後である。本講演では、日本天文学の黎明期の研究やエピソードを中心に、国立天文台に所蔵する歴史的な天文観測装置についても触れてみたい。

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