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宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の温度揺らぎ宇宙を解き明かす鍵! |
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| 理論部・杉山教授のプレゼンテーションを利用させていただきました。 | |||
| 宇宙論 | 宇宙論の目標は、宇宙の宇宙の誕生と成長、最終的な運命を知ることです。 | ||
| どのように? | 観測的には、遠くの宇宙や天体を見ること。光の速度が一定で、光が到達するまでに時間がかかるので、遠くの天体を見るのは、過去の姿をみることだからです。つまり、宇宙でもっとも古い天体を見れば、観測できるかぎりでもっとも初期の宇宙を知ることができます。 観測できるもっとも古い現象、天体、それが 3K宇宙マイクロ波背景放射です。 | ||
| 理論的基礎 | フリードマン宇宙、膨張宇宙を与える宇宙モデルです。仮定しているのは、一様、等方宇宙。つまり宇宙には特別な場所がなく(一様)、特別な方向もない(等方)という仮定です。一般相対論の基礎方程式(アインシュタイン方程式)は、膨張・収縮するダイナミックな宇宙像を描き出します。 | ||
| 何を求めるか? | この宇宙論をもとにすると、宇宙の誕生と成長、運命を知るためには4つの変数の値を調べなければなりません。 それは
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| ビッグバン宇宙論 | 宇宙はぎゅっと縮められた非常に高温・高密度の状態で誕生し、現在に至るまで膨張し続け、その膨張とともに冷えて、現在に至っていると考えられています。さて、では未来は? 可能性は四つあります。
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| これ正しい? | ビッグバン宇宙論が正しいという証拠がいくつか見つかっています。まず、確かに宇宙は膨張しているということ、それから宇宙マイクロ波放射(CMB)の存在が確認されたことです。 |
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| 3K CMB | 1965年にペンジャスとウィルソンによって偶然発見されたマイクロ波(波長が1mm程度の波長の短い電波)を解析すると、温度が絶対温度3K(−270℃)の熱放射と一致していました。つまり 宇宙は現在、とっても冷たいけれども、”光”に満ちている!これは、かつて宇宙が小さく、高温・高密度だったときの光の名残! 同じ温度のCMBが宇宙のあらゆる方向からやってきている!これは
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COBE衛星の結果から、 2.725±0.002K が正確な値。1000分の1の精度 上の図は、FIRASのデータ。エラーバーはとても小さく、CMBがほぼ黒体放射で記述できることを示しています。 |
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| 完璧な黒体放射 | かつて宇宙は高温の熱平衡状態だったことを意味し、つまりこビッグバンの証拠です。 | ||
宇宙マイクロ波背景放射は、いつの時代からきているのか? |
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| 現在の宇宙 | 銀河など、ごく一部の場所を除けばほとんど透明。つまり遥かかなたの光もさえぎられずにやってくることになります。 | ||
| ビッグバンの直後 | 一方、ビッグバンの直後は、あまりに高温なため、水素原子は用紙と電子としてばらばらに存在していました。光は、電子と繰り返し衝突するために、透過することができませんでした。つまり、宇宙は不透明でした。 | ||
| 最終散乱面 | 宇宙が始まって30〜40万年後に、宇宙の陽子と電子が結びついたと考えられています。これが、水素原子の再結合です。このときから宇宙は透明になりました。これが宇宙の晴れ上がりです。すなわち、私たちは、誕生から30〜40万年後たった宇宙の姿から知ることができます。 この時期の赤方偏移z=1000:当時の波長は 1/1000x1mm=1μm(赤外線)。温度は3000Kです。すなわち私たちが観測できるもっとも遠い宇宙が最終散乱面です。 |
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| 宇宙最古の化石 | 宇宙マイクロ波背景放射は、宇宙が高温だった時代を伝える宇宙最古の化石です。現在見つかっているもっとも古いクエーサーや銀河でさえ、宇宙誕生後10億年たっています(赤方偏移でいうとz=5。最近ではz=6くらいでも銀河が見つかりはじめていますが、それでも宇宙誕生から数億年はたっています)。 |
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| 宇宙マイクロ波背景放射は、さらに、多くの情報を持っていることがわかってきました。 | |||
| 温度揺らぎを見る! | 揺らぎ=一様等方からのずれ | ||
| 実際、現在の宇宙では銀河や銀河団、超銀河団といった構造があります。つまり、平均すればどこも似ているようですが、完全にどこも同じ(一様)というわけではありません。揺らぎが宇宙の多様な構造を生み出していると考えられています。 | |||
| 空間密度の揺らぎ | 下図でわかるように、銀河の分布を調べてみると構造を持っていることがわかります。物質密度の空間分布の揺らぎから、銀河・銀河団・超銀河団、グレートウォールなどの、宇宙の大規模構造が生じたのでしょう。 | ||
| 速度分布の揺らぎ | 天体の持っている速度分布の揺らぎは、密度の揺らぎによって、重力的に引き起こされています。 | ||
| 温度揺らぎ | 宇宙マイクロ波背景放射の揺らぎは、1992年まで見つかっていませんでした。これは宇宙論の大きななぞで、なぜなら、物質密度に揺らぎがあるなら、温度揺らぎも存在しているはずと考えられるからです。 | ||
| COBE(宇宙背景放射探査衛星) | |||
| これは、NASAを中心としたプロジェクトで、マイクロ波および赤外線の背景放射を測定するのが目的でした。人工衛星によるマイクロ波で初めての全天観測です。そして、20年近くの準備期間の後、1989年に打ち上げられたCOBEは、1992年、温度揺らぎを発見しました。 | |||
| 揺らぎの発見 | COBE衛星のデータを解析し、銀河面の成分を除いた温度分布図。 |
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この観測データから温度揺らぎが確かに存在していることがわかりました。そしてその揺らぎはインフレーション理論が予測したとおりのものでした。このことから、宇宙初期の揺らぎが現在の宇宙にある構造を生み出す種になったのではないか、と推測されます。 ただし、COBE衛星の角度分解能は低く、(角度が7度以下のものはぼける)、現在の宇宙の大規模構造(0.5度以下に対応)とさえ、直接比較することはできません。 |
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| 何がわかるか? | 観測量は、揺らぎのフーリエ成分2乗平均(パワースペクトル)です。さまざまなスケールの揺らぎを調べることによって、
がわかります。宇宙の始まりと運命を知るためには、より鮮明な宇宙マイクロ波背景放射の画像が必要なのです。下の図で示すように、それぞれの値が異なると、揺らぎのパワースペクトルが違ってきます。パワースペクトルを導いて、計算結果と比較することにより、上の四つのパラメータの値を導くことができます。 |
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| バリオン密度(ΩB) | 異なるバリオン密度を仮定した場合の、揺らぎのパワースペクトル。 バリオン(水素、ヘリウム)の量が多ければ、重力で群がりやすくなる。 つまり、より ピークが高ければバリオン密度が高い
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| 全物質密度(Ω0)x ハッブル定数(h)の二乗 | |||
物質の密度が低いと、重力ポテンシャルがより減少して、揺らぎ増加させる
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| 宇宙の幾何構造: | |||
晴れ上がりの時期の宇宙がどれだけの角度に対応するか? |
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| 宇宙項の大きさ | 宇宙項が存在すると膨張が急になり宇宙が大きくなる 晴れ上がりの時期が遠くになる=その時期の宇宙が小さくなる つまり、温度揺らぎのパターンが小さければ宇宙項が存在 |
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| どう違って見える? | ![]() |
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| 鮮明な揺らぎの画像 | COBE衛星のデータは相当のピンボケで、密度揺らぎを詳細に調べることはできませんでした。そこで、大気の影響を少なくし、かつ安上がりということで、気球による観測が行われました。これが、巨大気球によるブーメラン プロジェクトです。データ取得のために、10日間以上、南極点の周りを周回しました。 |
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| ブーメランで得られた画像 | |||
| 何がわかったか? | 平坦なダークマター優勢モデルを支持。下の図は、COBE衛星の観測結果とブーメランの観測結果をしめしています。同じ図上で線があらわしているのは、宇宙論パラメーターをいろいろ変えた場合、どのような密度揺らぎが予測されるかという理論的な結果です。図中、ΩBは通常の物質密度をあらわし、これが小さい時、ダークマターが多いことを意味しています。理論的な計算結果とデータを比べると、平坦でダークマターが多い宇宙を仮定したときに観測点を一番よく再現することがわかります。 |
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| さらに | 気球の観測は、様々な制限から、全天の一部しか観測することができませんでした。そこで、COBEよりもずっと性能のよい衛生で宇宙マイクロ波背景放射を観測するために、衛星が打ち合えがられました。それが、NASA、プリンストン大学、シカゴ大学が中心となって進めているWMAPプロジェクトです。 | ||
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| どんなプロジェクト? |
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| COBEとの比較 | |||
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| WMAP最初の結果 | |||
すべて予想通り:他の独立のパラメーター決定プロジェクトの結果と一致
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| 宇宙年齢は? | ハッブル定数 (H0=100 h km/s/Mpc)の逆数、1/H0 = 宇宙年齢 なので 宇宙年齢=1/h x 9.78 Gyr = 137億年! |
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