国立天文台・天文ニュース (519)

広瀬さん、明るい超新星を発見

 神奈川県茅ヶ崎市の広瀬洋治(ひろせようじ)さんが、「うお座」の銀河M74に、
明るい超新星が現われているのを発見しました。
 広瀬さんは、1月29日夜(日本時)に口径25センチのシュミット・カセグレン望
遠鏡にCCDを装着して撮影した5枚の画像から、銀河M74(NGC628)の近くに、14.5
等の超新星と思われる天体があるのに気付きました。この発見は洲本市の中野
主一(なかのしゅいち)氏を通して国際天文学連合に報告され、発見された天体
は、超新星としてSN 2002 apの認識符号が与えられました。
 この超新星は、M74の中心から北に274秒、南に93秒離れた位置にあると報告
され、八ヶ岳南麓天文台で撮影した画像から串田嘉男(くしだよしお)さんが測
定した精密位置は、

                 赤経      1時36分23.85秒
                 赤緯     +15゜45'  13.2"      (2000.0)
です。

 なお、M74は「うお座」にある渦巻銀河で、光度は約10等、直径10分程度で、
渦巻きを正面から見る向きに位置しています。距離は3700万光年ほどで、比較
的近傍にある銀河のひとつです。最近たくさん発見される超新星は、遠方の銀
河に出現する暗いものが多く、ほとんどが22等から25等の明るさです。それに
比べると、14等台で発見された今回の超新星は、母銀河が近いために格段に明
るいといえましょう。アメリカの超新星自動検出サーベイKAIT (Katzman 
Automatic Imaging Telescope)では、広瀬さんの発見の約5時間前に14.4等の明
るさでこの超新星が出現していたのを後から確認しています。発見時にこの超
新星は極大光度近くにあるか、まだ増光中であったと思われます。スペクトル
撮影の結果が報告されていませんから、超新星の型はまだわかりません。

 広瀬さんは天体写真家で、超新星発見は今回が初めてです。自動捜索によっ
て超新星の発見数は最近急速に増え、今回の SN 2002 ap は今年に入ってすで
に42個目です。日本人による発見も、この1月22日に佐野康男(さのやすお)さん
がSN 2002 an を発見したばかりでした(天文ニュース517で佐野さんの発見を
23日未明(日本時)とお伝えしましたが、正しくは22日夜でした)。

参照  IAUC 7810(Jan. 30,2002)

        2002年1月31日                        国立天文台・広報普及室