国立天文台

National Astronomical Observatory of Japan


2004年11月の星空ガイド
 
 
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 このページでは、今月の星空について、郊外に行かなくても比較的観測しやすい 天体についての解説と、その周りの星座・天体に関する話を簡単にご紹介していきます。
 このページをご覧になり、身近な星空に関心をもっていただければ幸いです。
 
観測しやすい天体〜プレアデス星団〜 星座にまつわる話〜みずがめ座〜
定例観望会の観望天体について
 
観測しやすい天体〜プレアデス星団〜

観測しやすい天体”プレアデス星団”  プレアデス星団は、日本名をすばる(昴)と言います。多くの散開星団の中で、最も有名で人気がある天体ではないでしょうか。
 数十〜数百個の若い恒星が不規則に集まっているものを、散開星団といいます。散開星団は銀河面近くに集中しているため、地球から見ると、天の川付近にその多くを見つけることができます。
 星座の中では、プレアデス星団はおうし座の肩に位置しています。肉眼でも、空が暗い場所でなら、青白い星が6,7個集まっているのがわかるでしょう。双眼鏡や、低倍率の望遠鏡を使えば、100個以上の星が輝いている様子を見ることができます。地球からプレアデス星団までの距離は約400光年です。

観測しやすい天体”アルデバラン”  プレアデス星団の近くには、おうし座の星々の中でいちばん明るく光るアルデバランを見つけることができます。アルデバランは、プレアデス星団の中の青白い星々とは対照的な、赤い色をしています。

 同じ恒星なのに、何故このように見える色が異なるのでしょうか?それは、恒星の表面温度が深く関係しています。
 恒星は、中心部で発生したエネルギーで、恒星を形作っているガスが熱せられることによって光っています。表面の温度が数万度あるような温度の高い星は青や白に光り、3000〜5000度という、比較的温度の低い星は赤っぽい色をしています。このように、 恒星の色の違いは、表面温度の違いによるのです。
  アルデバランは、 光度が0.8等で、太陽の約45倍もの大きさがある「赤色巨星」です。大きさは大きいのですが、表面温度は4000度程度と考えられるため、赤っぽい色に見えます。一方、プレアデス星団の星たちはずっと高温のため、青白く輝いて見えます。

 このように、星の色は、その星の特徴である表面温度を知る手がかりとなるのです。


【参考文献:大星夜ウォッチング(日本放送出版協会)、理科年表(丸善)】

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星座にまつわる話〜みずがめ座〜

 みずがめ座は、秋の星空でただひとつの1等星であるフォーマルハウトのあるみなみのうお座の北に、大きく覆いかぶさるように位置しています。星座絵では、少年が持った水がめから水が流れだしている姿として描かれています。

 ギリシャ神話では、みずがめ座の少年にまつわるお話が残されています。
 少年ガニメデは、小アジアの北西部トロイの国に住む
美少年でした。
 大神ゼウスはオリンポスの山でひらかれる神々の酒宴で、お酒をつぎまわる乙女を探していました。かつてはゼウスと女神ヘラの娘へーべがお酌を務めていたのですが、彼女が結婚することになったために、代役を探さなくてはいけなくなったのです。ある日ゼウスは、下界を眺めていてトロイの国のガニメデを見つけ、彼の美しい姿に惹かれます。すぐにゼウスは大鷲(おおわし)に化けてガニメデをさらい、オリンポス山に連れてきました。そこで、ガニメデは神々に酌をすすめる役を与えられたのです。そのガニメデがみずがめ座になったのだ、というお話があります。

 また別の話では、ガニメデは、ゼウスと同じように美少年がお気に入りの、ギリシャの曙(あけぼの)の女神エオスにさらわれた、とも言われています。ゼウスはエオスからガニメデを奪ってオリンポス山に連れて行き、神々にお酌をする役目を与えられたガニメデはそこで幸せに暮らした、とも言われています。

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定例観望会の観望天体について
毎月二回、国立天文台三鷹キャンパスで行われる観望会の観望天体について、簡単にご紹介します。ただし、対象になる天体は天候などの条件により急遽変更される場合もあります。予めご了承ください。

●11月12日(金)
  ・・天王星

 天王星は、太陽から近い順に数えて7番目の惑星です。表面は青色に見えますが、これは、大気に含まれるメタンが赤い色を吸収するためと考えられています。
 太陽から平均距離約19.218天文単位のところを、約84年の周期で公転しています。質量は地球の約15倍、体積は約63倍、大きさは地球の約4倍です。衛星は2004年9月現在で27個あります。

 天王星の特徴は、他の惑星とは異なり、自転軸が黄道面に対し約98度傾いているということが挙げられます。天王星の極地方がほぼ太陽の方向に向いて自転しているため、約42年ごとに夜と昼が訪れることになります。また、天王星には、肉眼では識別できない非常に暗くて薄い環があることが分かっています。メタンと水の氷の混合物などが材料となって11本の環を形成しています。
 大口径の望遠鏡でないと観測できない惑星ですが、この機会に是非、ご自分の眼で確かめてみてください。


●11月27日(土)
  ・・月(月齢14.8)

 満月の模様をよく観察してみると、周辺部の模様の見え方が、見るたびに違うことに気がつくかもしれません。地球上での観測位置の違いや月のふらふらした運動によって、月を見る角度が微妙に変わるため、月の裏側の一部が見えるためです。この現象のことを秤動(ひょうどう)といいます。秤動によって、月の表面の約59%を地球から見ることができます。

 月の地形には、1つ1つに高名な科学者等の名前が付いています。双眼鏡や望遠鏡で観測したら、それぞれどのあたりなのかを調べてみるのも面白いでしょう。

※観望会に参加する皆様へお願いがあります。

混雑すると、観望天体を見るまでの間ドームの前で長時間待つことも少なくありません。
この時期、夜は特に冷え込むため、防寒対策をしっかり準備してください。
 
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