国立天文台

National Astronomical Observatory of Japan


2004年11月の星空観望
 
 
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 このページでは、天体観望をより興味深く、楽しむために 天体観望の基本的な知識と、近年、関心の高い流星群などについて簡単に ご紹介していきます。
 
季節によって変わる星座さがし
(2004年秋)
流星・流星群とは?
しし座流星群について 観測にあると便利なもの
 
季節によって変わる星座さがし(2004年秋)
 この星図は、11月中旬午後8時頃の比較的見つけやすい星座を表したものです。  秋の星座には明るい星が少ないのですが、 ここでは、ペガスス座を目印として、観測しやすい星座を見つけていきましょう。
  ペガススというのは、背中に翼が生えていて、その 翼で空を飛ぶことのできる、想像上の馬のことです。

11月中旬午後8時頃の星空”観測しやすい星座の絵”

 天頂付近に目を向けて見ましょう。大きな四辺形を形作っている比較的明るい4つの星がわかります。これを「秋の四辺形」といいます。この四辺形の南西側の星から、暗い星が3つ伸びています。丸い印で囲んだ辺りがペガススの頭にあたり、この四辺形の辺りが胴体となっています。後ろの足にあたる部分がないのは、ギリシャ神話によると、ペガススがあまりにも速く天を駆け抜けるため、後ろ足がついていかず、ちぎれてしまったためといわれています。

 秋の四辺形の西側の星を結んで南にのばしてみましょう。比較的明るい白い星が見つかります。みなみのうお座のフォーマルハウトです。この星は、秋の星空では唯一の1等星ですが、地平線近く、大気の影響を受けているため、あまり目立たないかもしれません。
 秋の四辺形の東側の星を結んで南にのばすと、くじら座の2等星デネブ・カイトスにぶつかります。くじら座には、約332日の周期で2等から10等まで明るさが変わる、ミラという星があります。(このように、明るさの変わる星を「変光星」と言います。)

 秋の四辺形の東側の星の線を結んで北の方向にのばして見ましょう。Wもしくは、Mの形に見える星座がみつかります。これが有名なカシオペヤ座です。カシオペヤ座は、全体が天の川の中に位置しているため、この付近に双眼鏡を向けると無数の小さな星が見えます。

 今度は、カシオペヤ座から東の方向を見ると、アルファベットのAをいびつにしたような形の星座が見つかります。これがアンドロメダ座です。アンドロメダ座には、有名なアンドロメダ銀河M31があります。距離は約230万光年と、私たちの銀河系に最も近い銀河の1つです。肉眼ではやっと見えるぐらいの暗い天体ですが、双眼鏡を向けると、ぼんやりと光る楕円形の雲のように見えます。アンドロメダ銀河は、肉眼で見ることのできる一番遠い天体かもしれません。

 さらに東を見ると、ペルセウス座のα(アルファ)星を見つけることができます。α星付近には、肉眼でも多くの星を見つけることができます。

 最初は、どの星がどの星座の星なのか、わかりにくいかもしれません。日付と時刻を合わせると、その日に見える星座や星団などが簡単に分かる星座早見盤などを使うのも良い方法です。
 慣れてきたら、単純な形の星座を目印とすると、まわりの星座を見つけやすくなります。
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流星・流星群とは?
流星とは
 主に宇宙空間に漂う塵が地球の引力につかまり、秒速15km以上の速さで大気圏 に飛び込み、地球大気との激しい摩擦によって高温になり蒸発して、プラズマ化したガスが発光する 現象のことです。 上空100kmあたりで光り始め、80kmあたりで燃え尽きてしまいます。 その現象が流れる星のように見えるために「流星」といいます。
 流星の中で特に光が強く、一瞬昼間のように、空が明るくなるものもあります。これを火球と呼んでいます。 また、燃え尽きずに、地上に到達した物は、隕石と呼ばれます。
 流星は、季節や時刻によっても観測できる数や種類は変わってきますが、1時間に5,6個見えれば良い方でしょう。 夕方や夜より、明け方の方が多く見られています。

流星群とは
 毎年ある時期になると星空の一点(輻射点、または放射点といいます)を中心として、四方八方に流星が流れる現象です。 1時間に数十個、多いと数十万個ほどの流星が観測されます。  流星群は見かけ上、輻射点(放射点)となる方向にある星座から出現しているので、その方向にある星座の名前を付けて 毎年多く出現する流星群を区別します。
 では、何故このような現象が見られるのでしょうか? 簡単に説明すると、流星群のもとになるものは、彗星が太陽を通過したときにばらまく塵(流星物質、小さな岩石成分)です。 この塵をばら撒く彗星を流星群の母彗星または母天体といい、流星群には必ず1つ以上の母彗星が確認されています。

 この塵は彗星の軌道全体にばら撒かれていて、この彗星の軌道に地球の軌道が交差すると、非常に沢山の 流星が見られるのです。 彗星の軌道と地球の軌道が交差する日は、毎年ほぼ決まっていますが母彗星の塵は彗星の軌道上に一様に 分布していないので、 同じ流星群でも年によって観測される流星の数は多いときと、少ないときがあります。

 ここ数年、しし座流星群の大出現が話題になっていましたが、しし座流星群以外にも毎年、ほぼ1年を通して、 色々な流星群が観測されています。 主な流星群と出現期間などについてお知りになりたい方はこちらをご参照ください。
 
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しし座流星群について
 しし座流星群の母天体は55P/テンペル-タットル彗星で、軌道周期は約33年です。流星群の活動期間は11月14日〜19日を中心とした数日間です。

 しし座流星群はジャコビニ流星群と同じように、何年かの周期で活動が活発になる流星群で、活動の周期は、母天体の周期である33年です。1999年頃がその活発な時期に当たっていたため、1999、2001、2002年と3回にわたり流星雨が観測されたことは記憶に新しいでしょう。
 しかし、活発な時期からだいぶ期間が経過した今年は、1999年頃のような活動は望めず、活動自体が終息に向かっていると考えられています。ただ、この流星群の特徴である、非常に速く明るい痕を残す流星、大火球も出現する可能性がまったくないとはいえません。

”しし座と輻射点付近の絵”  この図は、しし座流星群の輻射点(放射点)を示しています。しし座は、11月18日頃であれば、午前3時頃に東の空に昇ってきます。今年は、月明かりの影響を受けずに観測できるという意味では、条件は良好です。
 流星は輻射点を中心に放射状に出現します。しし座流星群の場合には、比較的速い速度で流星が飛ぶのが見られるでしょう。流星はしし座に出現するとは限りません。できるだけ空を広く見渡したほうが、多くの流星を見られる可能性が高くなります。

 11月に入り、気温は急激に下がるようになりました。防寒対策をしっかりし、長時間空を見続けても疲れないように、椅子に座ったりあお向けに寝るなどして観測するようにしましょう。
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観測にあると便利なもの
 天体観測は、宇宙や星を知るための第一歩になります。
天体観測のために、用意しておくと便利なものを簡単にご紹介します。

防寒対策

 季節はもう秋。夜は気温が下がります。観測している間は、あまり動くこともないので、 ウインドブレーカーなど風を通さない素材の防寒具をしっかり身につけましょう。 手袋や軍手などもあるとなおよいのではないでしょうか。
 また毛布や、レジャーシート、銀マットなどがあると、寝転がって星を眺めることができます。 虫さされの予防として、虫よけスプレーやかゆみ止め等も用意しておきましょう。

必需品

 懐中電灯・ペンライト

   天体観測は、夜真っ暗な場所で行うので、必ず用意し
   ておきましょう。 気をつけたい点として、懐中電灯
   などの光は、そのままだとまぶしすぎて、天体観測
    に障害になります。
   必ずライトの部分に赤いセロファンなどをつけて、減光
   してください。

 星座早見盤   日付と時刻を目盛りに合わせると、星の位置が簡単
   に分かるので便利です。
  観測機材   目標の天体の細部まで迫ることのできる望遠鏡
   が一番ですが、その他に双眼鏡が一台あると便利
    です。両眼でのぞくことが出来るので目 が疲れにく
    く、望遠鏡に比べ低倍率なので、星雲や銀河など淡
    い天体を 見るのに適しています。
   これらの天体は、望遠鏡だと拡大されすぎて逆に分
    かりづらいでしょう。
    注意点

    観測機材を現地で組み立てる際、周りが暗いので
     部品を落とさないよ うに気をつけましょう。
    また、気温が急激に下がると望遠鏡のレンズに水
     滴や霜が付くことが あります。カイロなどをハンカチ
     やタオルなどに包み、望遠鏡に巻いて おくと良い
     でしょう。


♦夜食
 夜中観測していると、体がかなり冷えてきます。 魔法瓶などに、熱いお茶などを用意しておくとよいでしょう。
 ガスコンロなどで夜食を作る前に、火を扱うことが許可されている場所かどうか事前に 確認しましょう。また、火の扱いには十分注意しましょう。 思わぬ事故につながる恐れもあります。

 初めての場所で観測を行う前には、トイレや、水道などが近くにあるかなど 周りの環境の下見を十分に行ってください。  また付近の住民のことを考え、大声を出したり、ゴミを散らかさないように心がけましょう。

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