自然科学研究機構 国立天文台

メニュー

検索

質問1-8)太陽の南中時刻はどうすればわかる?

「南中」というのは、天体がちょうど真南にくることを表す言葉です。

太陽の南中時刻を知りたい理由のひとつに、太陽が南中する瞬間に太陽の方向を観察したり、太陽の光によって棒にできる影の方向を観察したりすると、正確な南北の方角を知ることができることが挙げられます。しかし、太陽は、東経135度の地点(そのひとつとして明石が有名です)で観察したとしても、12時ちょうどに南中するわけではありません。また、南中時刻は場所や日によっても変化します。

それでは、どうすれば太陽の南中時刻を知ることができるのでしょう。

まず、南中時刻を知りたい場所を含む地図を用意してください。国土地理院が発行している2万5千分の1地図や5万分の1地図などがあれば便利です。そして、地図からその場所の経度の値を読み取ります。読み取った経度の値が正確であれば、求める南中時刻の値もそれだけ正確になります。

次に、国立天文台が編纂している理科年表で、旧東京天文台の位置(東京都港区)における太陽の南中時刻を調べます。理科年表には、旧東京天文台の位置における、毎日の太陽の南中時刻が掲載されています。

太陽の南中時刻は東ほど早く、西ほど遅くなりますので、今度は、旧東京天文台と目的の場所との間の時刻差を計算して、南中時刻に補正を加えます。そのためにはまず、「目的の場所の経度」と「旧東京天文台の経度」の差を計算する必要があります。そして、経度差の1度を時間の4分、経度差の1分を時間の4秒として、経度差を時刻の差に換算します。このようにして計算した時刻の差で、旧東京天文台の南中時刻から補正をします。目的の場所が旧東京天文台より東にあれば(目的の場所の経度の値のほうが旧東京天文台の経度の値よりも大きければ)南中はそれだけ早くなりますので、旧東京天文台の南中時刻から、補正のための時刻の差を引き算します。目的の場所が旧東京天文台より西にあれば(目的の場所の経度の値のほうが旧東京天文台の経度の値よりも小さければ)南中はそれだけ遅くなりますので、旧東京天文台の南中時刻に、補正のための時刻の差を足し算します。

例えば、岐阜県と長野県の県境にある乗鞍コロナ観測所での、2004年1月1日における太陽の南中時刻を計算してみましょう。観測所の経度を地図から読み取ると、おおよそ137度33分であることがわかります。また理科年表から、この日の旧東京天文台での太陽の南中時刻が午前11時44分09秒であることがわかります。旧東京天文台の経度は、理科年表にも書かれていますが、139度44分29.27秒ですので、旧東京天文台と観測所との間の経度差は139度44分29.27秒-137度33分=約2度11分30秒と計算されます。これは時間に換算すると、経度差2度×4=時間差8分、経度差11分×4=時間差44秒、経度差30秒(0.5分)=時間差2秒となり、合わせて8分46秒の時間差にあたります。乗鞍は東京より西にあることから、経度による時間差を、旧東京天文台での南中時刻に足し算することになり、午前11時44分09秒+8分46秒=午前11時52分55秒が乗鞍コロナ観測所での南中時刻になります。

暦計算室のページでは、東京だけでなく全国各地の太陽の南中時刻を知ることができますので、こちらも参考にしてください。